センターの概要

全体概要
 各連携部局の学術成果であるマテリアルシーズを踏まえ、つくばー柏ー本郷イノベーションコリドーの中間地点に、産学官民の連携によるマテリアルイノベーションの協働拠点を形成します。そこでの活動を通じて、マテリアルイノベーション・エコシステムに資する新たな視点のマテリアル科学技術研究分野を創造します。新規デバイス開発などによる社会実装を進めることにより、起業を促進し、社会連携を実践します。物質科学関連の国際卓越大学院教育と協働し、次世代の国際的イノベーション人材の育成を目指す教育に寄与するとともに、若手研究者創出と国際的に卓越した研究拠点を形成します。
 本センターにかかわる教員については、各連携部局における教員選考に際して、センターの構成教員が選考委員会に加わるなど、センターとの連携に配慮した体制を構築します。また、つくば地区研究機関などとの間でクロス・アポイントメント制度を活用するなどの人材交流を行い、有機的な連携と開かれた運営体制を構築します。
 現在は新領域創成科学研究科、物性研究所、工学系研究科、先端科学技術研究センター、生産技術研究所の5部局から構成されています。

 

  設置目的
 マテリアルを起点とするイノベーションは、新規材料の創製からデバイスの実用化にいたる道のりが長く、いくつもの革新的な研究開発を要するため、一般に産業化が困難になる傾向にあります。一方で、マテリアル研究の成功によるインパクトは大きく、かつ、わが国の高い研究レベルを活かせる優位性があるため、研究開発の困難を越えて、巨大市場創成を実現する社会的期待が高いです。
 本連携研究機構では、独創的な研究成果を有するとともに社会実装に向けて広い視野を有する教職員が参画し、産総研などとの連携によって産業化を目指した研究開発を最速で実現する手法をとっています。
 本郷とつくばの中間に位置する柏キャンパスに、「知の協創の世界拠点」にふさわしい産学官民協働の卓越した研究拠点を形成して、そこでの活動を通じて、マテリアルイノベーション・エコシステムに資する新たな視点のマテリアル科学技術研究分野を創造します。本学発の新材料や物質機能の学術成果をベースに価値創造を実現するプラットフォームを構築し、世界市場を目指した起業を促進します。

 

実施内容
 本郷とつくば地区の中間に位置する柏キャンパスでは、新領域創成科学研究科と物性研究所において、さまざまなマテリアル科学のシーズ、スーパーコンピュータを用いた計算プラットフォーム、高強度レーザー、高輝度放射光、顕微分光などの最先端計測科学、レーザー加工に関する基礎研究が展開されています。工学系研究科、先端科学技術研究センター、生産技術研究所が培ってきた材料開発技術を組み合わせることにより、先端計測や人工知能との融合による新たなマテリアル研究を外部機関と連携して行うための協働研究拠点としての役割を担います。
具体的には、産総研・東大先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリ(OPERANDO-OIL)、物質・材料研究機構との相互クロス・アポイントメント、産総研グローバルAI研究拠点事業、地域科学技術実証拠点整備事業において中心的な役割を果たすとともに、本学発のベンチャー企業群とも連携し、新たな起業を引き起こす環境を醸成します。
主な研究項目としては、タフポリマーや超高移動度有機半導体などの革新的ソフト材料、革新的な高強度構造材料、多様な電磁応答性を有する強相関無機材料などのマテリアル開発研究と、生体と調和するエレクトロニクスや太陽電池などのSociety5.0の実現に必須のデバイス開発研究を想定しています。
デバイス開発研究の成果については、生産技術研究所の価値創造デザインプロジェクト等との協創により、新たな起業の機会を増加させます。